ジュエリーの仕上げは、
光沢をもった鏡面仕上げだけではありません。
表面を曇らせたり、荒らしたりして表情を変えることによって、
まるで印象が変わってきます。
表面処理の技法のひとつとして
「テクスチャー」
がありますが、テクスチャーは表面処理によって得られる質感の事になります。
この記事では、数あるテクスチャーのうち、
「梨地仕上げ、マット仕上げ」
について解説してまいります。
梨地仕上げとは
ジュエリーの貴金属の表面に、微細なキズをまんべんなく施して、艶消しのように仕上げることを
- 梨地仕上げ
- マット仕上げ
と言います。
梨地仕上げのやり方
梨地仕上げにもいろんなやり方がありますが、ここでは代表的な3つの技法を例に解説致します。
金剛砂(こんごうしゃ)
「金剛砂(こんごうしゃ)」とは、
ガーネットの小粒石(1mm前後)
のことです。
金剛砂を水と一緒に、高いところから作品に落とし、金剛砂を打ちつける事によって、微細なキズがたくさんつき、梨地仕上げを得る事ができます。
ホーニング(サンドブラスト)
「ホーニング」は、金剛砂と同様の作業を、
機械で行うやり方です。
「ホーニング」以外にも
- サンドブラスト
- ショット仕上げ
- ショットブラスト
- ブラスト加工
などの呼び方があり、粒子(メディア)の種類や大きさによる名称の違いとも言われますが、作業的には同じです。
主な粒子(メディア)の種類
- 珪砂(けいしゃ)
- アルミナ
- カーボランダム
- ガラスビーズ
- ガーネット 等
↓サンドブラスト実際の様子動画
タガネによる梨地
タガネによる梨地仕上げは、
荒らした表面のタガネを、地金の表面に何度も打ちつけてテクスチャーを表現します。
※詳細画像を準備中です。申し訳ございませんが今しばらくお待ちください。
こんな便利グッズも
Harpの「SSP9661 テクスチャーホイール」は、
リューターに取り付けて使用できるテクスチャー工具です。
回転するステンレスピンが、地金の表面を叩くように加工しますので、
梨地仕上げに似た表情を作る事ができます。
ピンの太さとホイールの大きさによって数種類ありますので、仕上げたいテクスチャーに合わせて、使い分ける事ができます。
下記の写真は、速度を7000rpmで試したものです。
あまり強く押しあてると、地金に傷がつきますので、触れるか触れないか位の加減で当ててあげると、梨地っぽくなりました。
強く押しあてると傷になる
ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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動画でもご紹介しています。
「梨地・マット仕上げ」まとめ
今回は、表面処理の技法のひとつ
「テクスチャー」
のうち、
「梨地仕上げ、マット仕上げ」
について解説致しました。
まとめると、梨地仕上げとは、貴金属の表面に微細なキズをつけ、艶消しのようなマットな仕上げにする技法で、
- 梨地仕上げ
- マット仕上げ
と呼ばれています。
代表的な梨地仕上げの技法
金剛砂(こんごうしゃ)
ガーネットの小粒石(1mm前後)を水と共に高いところから作品に打ちつけ、微細なキズを作り出す技法
ホーニング(サンドブラスト)
金剛砂やガラスビーズといった粒子(メディア)を、機械で打ちつけるやり方
タガネによる梨地仕上げ
表面を荒らしたタガネを、地金に打ちつけてテクスチャーを表現する技法
テクスチャーホイール
リューターに取り付けた先端工具の、ステンレスピンで地金の表面を叩いて、梨地仕上げに似た表情を作り出すやり方
ジュエリーの仕上げは、
光沢をもった鏡面仕上げだけではありません。
表面を曇らせたり、荒らしたりして表情を変えることによって、印象がまるで変わりますので、表現したい表情に合わせて、鏡面またはマット仕上げを選択しましょう。