今回は、ハードワックスを削って作る「らせんペンダント」の作り方をご紹介してまいります。
ハードワックスは、3次元の立体造形が可能な素材です。
3次元の立体造形ができるようになると、動物や植物などの具象系の作品も作れるようになります。
今回の「らせんペンダント」は、立体造形の基本になる課題作品ですので、ぜひ、この記事を参考にして頂いて「らせんペンダント」を作ってみて下さい。
ハードワックスとは
ハードワックスは硬度が高く、主にヤスリやリューター等を使って、彫刻のように
削り出して作品を作ることができます。
ハードワックスの色による違いと特徴
ハードワックスには、さまざまな形がありますが、硬さによっても種類があり、主に3つの色で分けられています。
ブルー(ソフト)
柔軟性があり、折れやすい透かし彫り等に適しています。
パープル(ミディアム)
ブルーとグリーンの中間のような、適度な硬さと柔軟性があります。
グリーン(ハード)
硬度があり、面や角をしっかり出したいデザイン等に向いています。
ハードワックス比較一覧表
| 色 | 柔軟性 | ハンドカービング | 硬度 (ShoreD) | 融点 (℃) | 粘度 |
|---|---|---|---|---|---|
| ブルー | ◎ | ○ | 52 | 115.5 | 高い |
| パープル | ○ | ◎ | 55 | 115.5 | やや高い |
| グリーン | △ | △ | 56 | 116.6 | 低い |
なお、他にもいろんなハードワックスがあり、色分けされていますので、気になった方は、各ワックスを購入して試してみて下さい。
ステップ1:ワックスの整形と下準備
まずは、スライスワックスを使用して必要な幅(10×10×37mm)の直方体を削り出します。
デバイダーでけがき線を引き、糸のこで外側をカットしたあと、プロペラヤスリで全体を整形します。
正確な形状を出すため、けがき線の外側から少しずつ削り進めるのがポイントです。


ステップ2:全体の中心線をけがく
油目のヤスリで全体を整えたら、6面すべてにタテ・ヨコの中心線をけがき、上面と下面の中心を結んで斜めのラインを描きます。

ステップ3:角を落としながらフォルムを整える
けがいたガイドラインを元に、側面の角から斜めに削って丸みを持たせます。
中心線が消えないよう、各面の中心点をマーキングしておきましょう。
側面と上下面を交互に削り、やわらかなカーブを作っていきます。


最後に全体を斜めにまわすようにヤスリがけし、フォルムを整えます。
形が整ったら紙ヤスリで表面を滑らかにします。

ステップ4:らせん状ラインの設計とけがき
この工程では、らせん状のラインを正確に入れていきます。
ひねりラインの位置を確認し、針でけがいた後、三角ヤスリでしっかりと溝をけがきます。
この時点で、完成イメージをマジックで描いてからけがくと安心です。

ステップ5:リューターでらせんを削り出す
リューターにラウンドカッターを取り付け、けがき線に沿って慎重に削っていきます。
削りすぎないよう、少しずつ深さを整えながらカーブを彫り込みます。

甲丸ヤスリでリューター跡を整え、紙ヤスリで表面を滑らかにします。

ステップ6:チェーン用の穴あけと仕上げ
最後に、チェーンを通す穴をラウンドカッターで開け、丸ヤスリで整形します。

ワックス表面の細かな傷を紙ヤスリで整えたら、ワックスフィニッシュナーやアルコールで全体をクリーニング。
滑らかで美しい、らせん状のフォルムが完成します。

「らせんペンダント」の作り方を動画で確認
「らせんペンダント」の作り方を動画にしました。
工程が多いため、2つに分けて投稿しています。
記事と合わせて、ぜひご覧下さい。
「らせんペンダント」の作り方まとめ
今回の「らせんペンダント」は、立体造形の基本になる課題作品です。
3次元の立体造形ができるようになると、動物や植物などの具象系の作品も作れるようになります。
直線と曲線を組み合わせながら、立体的に形作っていく体験は、ジュエリー制作の醍醐味をしっかりと味わえます。
ぜひ、今回の記事を参考にして頂いて「らせんペンダント」を作ってみて下さい。






