ダイヤモンドは、4つのCで評価されます。
4つのCとは、
・Carat カラット (重さ)
・Clarity クラリティ (透明度)
・Color カラー (色)
・Cut カット (プロポーションとフィニッシュ)
です。
今回は、ダイヤモンドの4Cによる評価と、ダイヤモンドの価格について解説してまいります。
下記の記事では「宝石の本物と偽物の見分け方」について解説していますので合わせてご覧ください。⇒「宝石の本物と偽物の見分け方!エンハンスメントとトリートメントの違いとは?」を見てみる
ダイヤモンド評価の方法
ダイヤモンド評価の方法については、イギリス方式、スカンジナビア方式とありますが、アメリカのGIA(米国宝石学会)という組織が、国際基準として広く普及しており、日本の鑑定機関の大半は、このGIA方式を採用しています。
↑4つの「C」によって評価が決まるダイヤモンド
下記の記事では、ジュエリー制作に必要な「石留めの種類37種」と、その留め方の概要についてまとめましたので合わせてご覧下さい。⇒「【全37種】石留めの種類と技法」を見てみる
ダイヤモンドの4C
4つのCとは、
・Carat カラット (重さ)
・Clarity クラリティ (透明度)
・Color カラー (色)
・Cut カット (プロポーションとフィニッシュ)
となります。
ここからは、各評価についてひとつずつ、詳しく解説してまいります。
CARAT カラット(重さ)
4Cの一つ目は「カラット(重さ)」です。
単に、ダイヤモンドの重さを表しています。
電子キャラット秤を使って、0.000ct(コンマ3桁まで)読み取ります。
重さの単位はcaratとなり、1ct=0.2gです。
仮に、他の3Cが同じ条件でカラット数が2倍、3倍となった場合は、
そのダイヤモンドの評価額は4倍、9倍、つまり二乗倍になるといわれています。
そのため、0.90ctと1.00ctでは倍近くの評価になるという事も珍しくはありません。
CLARITYクラリティ(透明度)
ダイヤモンド4Cの2つ目は
「クラリティ(透明度)」です。
一般的に、ダイヤモンドに含まれる不純物や亀裂、キズを「内包物(インクルージョン)」と言い、「クラリティ(透明度)」では、そのインクルージョンの程度をチェックするものになります。
ちなみに、人為的に作られた研磨キズなどは「ブレミシュ」と呼びます。
「クラリティ(透明度)」は、内部特徴と外部特徴によって、
FL(フローレス)からI3までの11段階に分類されます。
「S(スライトリー)」は「わずかな」、「V(ベリー)」は「非常に」を意味します。
「VVS」は、非常に非常にわずかという意味になります。
ダイヤモンドは10倍ルーペで拡大して観察し、内部と外部のキズを発見して、グレードを決定することが世界的な商習慣となっています。
COLOR カラー(色)
ダイヤモンド4Cの3つ目は、「カラー(色)」です。
ダイヤモンドは無色透明というイメージがありますが、完全な無色のダイヤモンドは非常に少なく、稀にしか手に入らない希少価値の高いダイヤモンドになります。
大半のダイヤモンドは、不純物によって、多少の黄色味(褐色)がかっており、評価に影響を及ぼしています。
「カラー・グレード」もGIAが定めている基準が、世界的に普及しており、DからZまであり、「マスター・ストーン・ダイヤモンド(つけ石)と比較しながら、人の目によって行われています。
肉眼で行われるカラーグレーディングは、測定器では鑑定できない唯一、ダイヤモンドの色の識別ができる方法となり、正しい光源の下で訓練を受けた鑑定人がチェックします。
なお、ピンク、ブルー、カナリー・イエローなどのファンシー・カラーは等級外です。
CUT カット(プロポーションとフィニッシュ)
ダイヤモンドの4Cの最後は「カット」です。
カットは
・プロポーション
・フィニッシュ
の2つに大別され、さらにフィニッシュは
ポリッシュ(研磨) とシンメトリー (対称性)の2つから成ります。
↑ダイヤモンドの理想の形
カットの評価
ダイヤモンドの4Cのうち、他の3つは天然の原石が持つ特徴ですが、
カットは唯一、人の手によるものです。
どんなに、素晴らしい素質を持ったダイヤモンドでも、
カットが悪ければ輝きません。
カットの評価は、
・Excellent(エクセレント)
・Very Good(ベリーグッド)
・Good(グッド)
・Fair(フェア)
・Poor(プア)
の5段階に分類されます。
プロポーション
プロポーションはダイヤモンド全体の深さ、テーブル直径、パビリオンの深さ、ガードルの厚さ、キューレットの大きさをチェックします。
もともと高い屈折率を誇るダイヤモンドですが、光を受けてキラキラ輝くのも、テーブルからのまばゆい輝きも、虹色の輝き(ファイア)が出現するのも、このプロポーションがあってこその輝きです。
フィニッシュ
フィニッシュは、
ポリッシュ(研磨) とシンメトリー (対称性)からなります。
「ポリッシュ(研磨)」はダイヤモンドの表面、ガードルとキューレットの研磨状態のチェックです。
いくらプロポーションがよくても、ポリッシュが悪ければ、ダイヤモンドの輝きは落ちます。
シンメトリーはわずかな対称性の違いをチェックしていきます。
円形不良や、テーブル、キューレットの中心がわずかにずれているなどを検査します。
なお、カットグレードの
・カットの総合評価(プロポーション)
・表面研磨(ポリッシュ)
・カットの対称性(シンメトリー)
全てが、Excellent(エクセレント)のものは
「トリプルエクセレント」と呼ばれます。
「ブリリアントカット」については、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。⇒ラウンドブリリアントカットと「7つのファセット」を見てみる
ハート&キューピッド
感覚的な基準である「シンメトリー(対称性)」を、一般の方でも理解しやすくするために、特殊なスコープで見ると光の反射像が確認できる「ハート&キューピッド」評価があります。
パビリオン側から見ると、ハートの形に似たパターンが8つ、クラウン側から見ると、アロー(矢)の形に似たパターンが8つ浮かび上がる事から「ハート&キューピッド(ハート&アロー)」と呼ばれています
↑浮かび上がるハート&キューピッド
↑ハート&キューピッドの評価レポート
下記の記事では、宝石のカット全25種類について、画像付きで詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。⇒「【全25種】宝石のカット種類一覧」を見てみる
ファンシーカラーダイヤモンド
ここまでは、無色透明のダイヤモンドを基準とした評価方法になりますが、稀に発見されるファンシーカラーダイヤモンドは別格の存在になります。
これまで説明してきたダイヤモンドとは異なり、化学的な不純物が混入したり自然のいたずらによって、DからZの範囲以外にも、赤やピンク、オレンジ、ブルー、グレーなどさまざまな色合いを持ったダイヤモンドがまれに見つかります。
最も珍しいとされる色は以下の通りです。
なお、★印がついているダイヤモンドは、もっとも稀少性が高いといわれているものです。
<ファンシーカラーダイヤモンドの色>
・レッド★
・グリーン★
・パープル
・オレンジ
・バイオレット
・ブルー
・ピンク
イエローやブラウンは、さほど珍しいものではありませんが、
「キャナリーイエロー」と呼ばれるカナリアの羽のような美しい黄色のファンシーイエローダイヤモンドは人気が高いダイヤモンドです。
ただし、イエローの中でも「アンダーN」や「アンダーS」と表記される場合は、純粋なファンシーカラーとして評価されないことが多くなります。
鑑定書
今回、解説した4Cをグレーディング・システムに基づき表示したものが
「鑑定書(ダイヤモンド・グレーディング・レポート)」になります。
ダイヤモンドの鑑定書は、各項目の頭文字の「C」を取って「4C評価」と呼ばれます。
実際には、宝石鑑定士2人でダブルチェックし、しかるべき条件下で、しかるべき器具を使用して、責任をもって等級をつけた報告書の作成を行っています。
↑鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)
下記の記事では、宝石に関する専門用語について、ジュエリー業界における慣用語、取引単位についてまとめましたので合わせてご覧下さい。⇒「宝石の重量単位とジュエリー業界の慣用語や取引単位について」を見てみる
ダイヤモンドの仕入価格目安
ここでは、実際にダイヤモンドの仕入れ価格がいくらくらいなのか解説いたします。
4Cの評価によって、価格は異なりますが、ある一定の条件で比較してみました。
なお、カットについては、エクセレント以上をピックアップしています。
参考になさってください。(価格は2023年時点の当社調べ)
FL、IF
FL(フローレス)、IF(インターナリ・フローレス)のダイヤモンドは、そんなに多く市場に出回っているわけではありません。
ここでは、参考例として調査した価格を掲載致します。
Dカラー × VVS
Hカラー × VS
Hカラー × SI
メレダイヤの仕入価格目安
ダイヤモンドの4Cまとめ
参考文献
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