皆さんは、自分の好きなブランドがありますか?
自分が好きなブランドや、愛着のあるブランドの製品やサービスというのは、いつまでも長く愛されるものですよね。
そんな、お客さまにいつまでも愛してもらえるブランドを、私たちが作っていく事ができるでしょうか?
今回は、「愛着」がわくブランドって一体どういうブランドなのか、お客さまに「愛着」を持ってもらうためには、どういった施策を打つべきかについてご紹介します。
ブランドとして成長していきたい、自身のブランドのファンを育てていきたいと感じている方にとって参考になる情報となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
集客アップの基本は「購買心理モデル」を理解する事。下記の記事では、購買心理モデルに基づく集客アップのテクニックを解説⇒「今すぐできる!集客とファン化・15のテクニック」を見てみる
「Disney」と「Google」の共通点
今回ご紹介する「ブランド」とは、ジュエリーや服、車などのモノだけでなく、企業や個人が提供するあらゆる製品やサービスに関する幅広い概念の事を指します。
私は、あまり物欲がなく、車や服、スマホ、PC、家電など、特にこれといって好きだというブランドはありませんが、強いて挙げるとすれば「Disney」と「Google」です。
「Disney」はテーマパークや映画配給、キャラクターライセンスなど多岐にわたるビジネスを展開しています。
一方、「Google」はITを基盤として私たちの生活に密着したサービスを提供しています。
「Disney」と「Google」は、全く異なるビジネスを展開していますが、
「細部にまでこだわる」
という共通点があります。
ディズニーのビジネスについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。⇒ウォルトディズニーから学ぶ「ブランドの方向性」を見てみる
Googleの秘密
Disneyはいわずもがなですが、Googleの細かなサービスを知っている人は結構少ないのではないでしょうか。
最も分かりやすい例が、Google検索です。
おそらく、あまり知られていない秘密がたくさんあります。
例えば、Google.comのホームページに表示されるロゴマークは季節や時期に応じて変わり、これをGoogleでは「Doodle(ドゥードゥル)」と呼んでいますが、クリスマスの時はサンタクロースが登場し、ハロウィンにはおばけのゲームを楽しめます。
また、検索にも楽しい裏技が隠されており、「一回転」と検索すると画面が回転し、宇宙を表す「google space」で検索し、検索結果1位のサイトをクリックすると画面が無重力状態になります。
このようにDisneyとGoogleには、ユーザー目線の遊び心があるので私は大好きです。
↓「google space」で検索すると無重力サイトに辿りつく
「愛着」を紐解いてみた
ここからは、ブランドへの「愛着」について考えてみたいと思います。
はじめに「愛着」のあるモノってなんだろうというところから、身近にある「愛着」のあるモノを探してみましょう。
そのモノは、単に他のモノより優れているとか、これ以外に替わりがないというだけでなく、何かしらの思い入れがあるのではないでしょうか。
私自身、ジュエリー制作で使うバーナーに非常に愛着を持っています。
このバーナーは古く、金メッキが施されており見た目もかっこいいのですが、バルブが、現在市販されているバーナーとは逆回しで、非常に使いにくいです。
しかし、このバーナーは
私にとって愛着のある特別なモノです。
工房を始めて間もない25歳くらいの時、あるベテランの作家さんが工房に訪れ、少し話をしたことがありました。
私はその時、自分はこの仕事が好きだけど、まだまだ未熟でうまくいかないことが多く、それでも学びながら、恥をかきながら、もっとうまくなって、この仕事を続けていきたい、という話をしました。
後日、その方が再び訪れ、
「もう使わないから使ってくれ」
とバーナーを渡してくれました。
このバーナーは、
今から20年以上も前に、そのベテランの作家さんから頂いたバーナーなのです。
その方が言った言葉がいまでも残っていて
「みてくれはもちろん大事だけど、細部までどうこだわるかが重要なんだ」
とおっしゃっていました。
それ以来、仕事をする時は、このバーナーが目につくので当時のことや初心を思い出しながら仕事をしています。
少し脱線しましたが、このように「愛着」のあるモノには、単に他のモノより優れていたり、そのモノ以外に替わりがないというだけでなく、
・ストーリー
・体験
・ドラマ
という要素が含まれているということになります。
ブランドのストーリーの作り方については、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。⇒「モノづくりは魔法の物語!ブランドストーリーの作り方”3つのステップ”」を見てみる
「愛着」を持ってもらうためには
では、どうしたら意図的に「愛着」を持ってもらえるのか、「愛着」がわくブランドになるにはどうすればいいのかということについて解説いたします。
先ほど、「愛着」のあるモノには、
・ストーリー
・体験
・ドラマ
という要素が含まれているとお伝えしました。
つまり、製品やブランドに、
ストーリーや体験、ドラマを纏わせてみようということになります。
最も取り組みやすい方法は、製品に対する思いや苦労話、体験談を公開することです。
ここで注意すべき点は、大手企業が製作しているCMのように作り込みすぎると逆効果になる可能性があるということです。
大切なのは真実であり、その背景に「つくり手」や「人」がいることを感じてもらうことですので、プロモーションに多額の予算をかけるより、写真と文字を通じて素直に伝えることが効果的です。
「真実の瞬間」と呼ばれる、お客さまとの接点を大切にする考え方については、下記の記事で解説しています。⇒「真実の瞬間」を見てみる
愛着のあるブランド例
具体的な事例として以下の2つをご紹介します。
・バーミキュラ
・ココマイスター
両ブランドは、商品の利用シーンをさりげなく見せた写真と、細部まで見せて、テキストで、そのこだわりを伝えています。
こだわりから「没入感」を与える
両者とも、製品へのこだわりについて、素材と技術、両方の側面から情緒的な印象で書いてあり、見ている人に「没入感」を与え、商品への欲求を高めてます。
同じように、製品へのこだわりを、素材と技術、両方の側面で深掘りしてみて、写真と一緒に情緒的に表現してみましょう。
また、「ストーリー」の見せ方としては、普段インスタで発信しているような、リアルな苦労話や思いを、そのまま商品紹介ページに掲載してもよいでしょう。
もちろん、そのページの世界観を大事にしなければなりませんが、違和感のない範囲でアプローチできます。
成功しているブランドには「世界観」があります。下記の記事では、世界観のつくり方を5つの要素で解説していますので合わせてご覧下さい。⇒ブランドの世界観を作る「5つの要素」を見てみる
お客様の接点を大切にする
さらに、お客様との接点を大切にするということも、愛着を持ってもらうためには必要です。
一言で「お客様の接点を大切にする」といいましたが、それは、企業やブランドからの一方通行の発信ではなく、お客さまの普段の生活や過ごし方を意識して、双方向のコミュニケーションを図り、体験価値を提供していくということです。
これには、地元の八百屋さんや魚屋さん、居酒屋さんなどのように、
「お、佐藤さん、いらっしゃい」
と、お客さまに名前で呼びかけたり、
「お疲れさん、今日も忙しかったね〜」
と、居酒屋の女将さんが気さくに話しかけてくれたり。
少し表現が上手くないかもしれませんが、そのようなイメージで、お客さまとの接点を大切にしていくということを意識することが、「愛着」を持ってもらうということにつながるのではないでしょうか?
オンラインでも同じ
対面販売をしていないと、実際に対面できることはなかなかないと思います。
しかし、オンラインでも基本は同じで、例えば、SNSで発信する際には、誰か1人の人に話しかけるような感じで、
「おはようございます。今日もいい天気ですね。お仕事頑張ってください」
「今日もお疲れ様でした。ゆっくり休んでください」
など、フォロワー目線での情報発信を心がけることによって、お客さまの印象に残りやすくなるという事になります。
下記の記事では、お客さまの感情に合わせて情報接点を活用する具体策について解説していますので合わせてご覧下さい。⇒お客さまとの情報接点を”見える化”する方法 を詳しく見てみる
まとめ
以上、今回は「愛着」を理解し、「愛着」を持ってもらうための方法についてご紹介しました。
冒頭でもお伝えした「Disney」や「Google」のように、「細部までこだわる」というのも、愛着につながる要素のひとつです。
お客さま自身が「発見する」ことが「体験、驚き、感動」へと繋がるのです。
このことを知るためには、実際にみなさん自ら体験してもらうことが一番だと思いますので、Googleで「パックマン」と検索してみてください。
きっと素敵な発見が待っているでしょう。
ブランドの「体験価値」の作り方を下記のページでご紹介していますので合わせてご覧下さい。⇒「ブランドの体験価値は、3つの”○○”で作る!」を見てみる