シリーズ「貴金属の特性を学ぶ」第2回「融点と地金の溶解」

貴金属地金の溶解 地金素材

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シリーズ「貴金属の特性を学ぶ」では、ジュエリー制作に必要な貴金属の特性を勉強していきます。

全5回をご覧頂くと、より貴金属の魅力を知る事ができますので、ぜひ最後までご覧下さい。

 

シリーズ「貴金属の特性を学ぶ」第2回の今回は、

「融点と地金の溶解」についての解説です。

 

貴金属は、

溶かして再利用できます。

 

手元に材料がない場合は、地金くずを溶かし、ローラーで伸ばして板にしたり、線引板で線を引いたりして、丸線を作ったりして製材する事ができます。

 

今回は、

・貴金属の融点について
・地金の溶解について

解説してまいりますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

↓地金を溶かして作るイメージ

 

 

下記の記事では、ジュエリーアクセサリーの作り方について3つの基本的な方法を解説していますので合わせてご覧ください。⇒「ジュエリーやアクセサリーを制作する3つの基本的な技法」を見てみる

 

融点とは?

融点(ゆうてん)とは、

貴金属が溶け始める温度のことです。

 

シルバー、ゴールド、プラチナの中で融点が一番低いのがシルバーで純銀の場合は960.5℃になります。

ゴールドは、シルバーよりも融点がやや高く、純金の場合は、1064℃です。

そして、もっとも融点が高いのがプラチナで、純プラチナの場合は1768℃になります。

 

主な貴金属の融点を表にしました・

貴金属 素材 融点
シルバー 純銀(サラ) 960.5℃
950銀 930℃
925銀 915℃
900銀 900℃
ゴールド 純金(ヤキ) 1064℃
K18(五分割) 905℃
プラチナ 純プラチナ 1769℃
Pt950(パラジウム割り) 1760℃
Pt900(パラジウム割り) 1755℃
Pt850(パラジウム割り) 1730℃

 

金銀・プラチナ、真鍮や銅、鉄も含めて、ジュエリー制作にかかわる地金素材の比重や融点・成分などをまとめました。ブックマークしておくと便利です⇒「地金素材まとめデータベース」を見てみる

 

地金の再利用

貴金属は溶かして再利用する事ができます。

これを地金の「溶解(ようかい)」と言います。

 

加工作業で出た地金の小片や、地金の粉を溶解して再び使う場合、シルバーとゴールドはプロパンガスのガスパーナーで溶かすことができます。

 

しかし、プラチナは融点が高く、ガスバーナーの炎では溶けないため

「酸素バーナー」を使用します。

 

酸素バーナーとは、ガスの燃焼を助けるために酸素を使ったパーナーです。

酸素バーナーを使用するためには、厚生労働省が実施している国家試験「ガス溶接技能講習」を受講する必要があります。

 

「炎」とひと口に言っても、その状態には大きく分けて2つの種類があります。下記の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。⇒「バーナー火炎の還元帯と酸化帯」についてを見てみる

 

地金の溶解の実際

ここでは、シルバーの地金片を溶かす様子を解説していまいります。

今回はシルバーのため、通常のプロパンガスバーナーを使用しています。

 

①地金片を入れる

チョコ皿と呼ばれる素焼きの小皿に、シルバーの地金片を入れて溶かしています。

シルバー地金の溶解①地金片を入れる

シルバー地金の溶解①地金片を入れる

 

②地金が溶け始める

シルバーの融点に達した部分から、地金は溶け始めます。

シルバー地金の溶解②地金が溶け始める

シルバー地金の溶解②地金が溶け始める

 

③溶湯を作る

地金が完全に溶けると「溶湯(ようとう)」となります。(単に「湯(ゆ)」と呼ぶことも多い)

シルバー地金の溶解③地金を溶かす

 

④炭素棒で攪拌

溶湯を炭素棒でかき混ぜて攪拌します。

炭素棒でかき混ぜることで、地金の中の不純物と空気を取り除くことで、割れにくい地金を作る事ができます。

シルバー地金の溶解④炭素棒で攪拌

シルバー地金の溶解④炭素棒で攪拌

途中、炭素棒でかき混ぜて攪拌します。

 

⑤あけ型に流す

溶けた地金をあけ型に一気に流し込みます。

シルバー地金の溶解⑤あけ型に流す

シルバー地金の溶解⑤あけ型に流す

 

⑥地金を取り出す

あけ型に流した地金を取り出します。

この後、ローラーで伸ばしたり、叩いたりして製材していきます。

シルバー地金の溶解⑥地金を取り出す

シルバー地金の溶解⑥地金を取り出す

 

 

下記の記事では、基本のシルバー甲丸リングの作り方をご紹介しています。”加工”についてあわせてご覧ください。⇒「基本のシルバー甲丸リングの作り方【動画解説あり】」を見てみる

 

融点と地金の溶解まとめ

今回は、貴金属の融点と地金の溶解について解説致しました。

 

地金の溶解には、ある程度設備が必要になりますが、地金を溶かせるようになると、

自分でいろんな材料を作れるようになります。

 

この記事を参考にして頂き、ぜひチャレンジしてみて下さい。

 

下記ページは、初心者~中級者に向けた「ジュエリー制作のロードマップ」です。どこから始めたらいいかわからない方はぜひチェックしてみて下さい。⇒「ジュエリー制作のロードマップ」を見てみる

 

シリーズ「貴金属の特性を学ぶ」

シリーズ「貴金属の特性を学ぶ」では、ジュエリー制作に必要な貴金属の特性を勉強していきます。

全5回をご覧頂くと、より貴金属の魅力を知る事ができますので、ぜひ最後までご覧下さい。

 

参考文献

 

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