いま話題のAIの活用方法について、
アクセサリー作家や製造小売業界では、どう使っていけばいいのか、
今後、このサイトを通じていろんな提案をしていきたいと思っています。
今回は、新しいブランドを立ち上げる際に、
『ブランドの根幹となる「理念」をAIに作成させてみた』という内容をご紹介いたします。
理念とは、
何のためにブランドをやるのか、ブランドを続ける先に何があるのか、
そして、どんな価値感をもって活動するのか、と言った内容を
多くの人から共感を得られるような言葉で200字程度にまとめたもの
ですが、なかなか言葉にすることは難しいと思います。
本来であれば、自分で考えて、自分の言葉で言語化する事が望ましいのですが、
それが難しい方は、AIを活用してみるのも良いのではないでしょうか。
今回、このAI(以下、ChatGPT)を活用してブランドの理念を作成する実験をしたところ、
比較的スムーズに作成できましたので、具体的な理念の言語化についての手順を解説いたします。
もちろん、AIの活用については、賛否両論ありますので、
使う、使わないはご自身の判断として、あくまで、
参考例として目を通していただければ幸いです。
下記の記事では、AIの活用方法を6つご紹介していますので、合わせてご覧下さい。⇒ちっちゃいブランドこそ”AI”を使い倒す「6つの最強技」を見てみる
基本的な概念
まずは、基本的な概念として、「変数」と「タスク」について解説いたします。
変数
変数とは、あるデータを格納するための箱のようなものになります。
例えば、[テキスト]という箱を用意し、その[テキスト]の中身を定義することにより、機械が理解しやすくなります。
具体的な例を以下に挙げます。
変数[テキスト]=りんご
と定義すると、その変数[テキスト]はりんご、と解釈されます。
りんごと定義したあとに、
変数[テキスト]=みかん
と定義し直すと、その変数[テキスト]はみかんと解釈されます。
これが変数です。
しかし、今回のChatGPTのやりとりでは、文章の中に変数が発生するため、
変数を日本語で定義した場合、変数がコロコロ変わってしまう可能性があります。
そのため、ChatGPTを使用する際は英語で定義します。
タスク
タスクは、答えを導き出すまでの一連の動作を実行させるための順番を定義したものです。
例えば、『りんごとみかんの違いを教えて』といった質問をした場合、以下のようになります。
タスク1:りんごの特徴を書き出す
タスク2:みかんの特徴を書き出す
タスク3:実行したタスクからリンゴとミカンの違いを書き出す
これがタスクです。
AIを活用してみる
今回は、ChatGPTを活用し、変数とタスクを基に質問をします。
質問
まず先にChatGPTへ以下のような質問をします。
『次の情報をもとに、ブランドの理念を創り出すタスクを実行してください。
不足している情報があれば、私に質問してください。』
インプット
そして、インプットする変数を以下のように定義します。
<Input>
ブランドの現状の弱み: [Var1]※具体的な自分の弱みや苦手だと思っていることです。
今回は例として、「人と話す事が苦手,量産できない,知名度が低い,資金不足」とします。
ブランドの現状の強み: [Var3]
※具体的な自分の強みや好きなことです。
今回は例として、「デザインをたくさん描ける,ママ友がたくさんいる」とします。
※[Var〇]は、変数:Variableの略です。
※[Var〇]の数字は、タスクを命令する際にわかりやすくしています。
アウトプット
次に、アウトプットする変数を以下のように定義します。
全て、AIが生成してくれます。
<Output>
[Var1]を強みや個性に転換した言葉: [Var2][Var2]と[Var3]から創り出した提供価値:[Var4]
[Var4]から創り出した、広く共感を呼ぶブランドの理念(200字以内):[Var5]
※[Var〇]は、変数:Variableの略です。
※[Var〇]の数字は、タスクを命令する際にわかりやすくしています。
タスク
次にタスクですが、以下のように全て繋げて質問します。
[Task1] = [Var1]を分析し、強みや個性に転換できる要素を選び、言葉にする。
[Task2] = [Task1]の結果をもとに、[Var1]を強みや個性に転換し、[Var2]を創り出す。
[Task3] = [Var2]と[Var3]を組み合わせて、提供価値[Var4]を言語化する。
[Task4] = [Var4]をもとに、広く共感を呼ぶブランドの理念[Var5]を200字以内で言語化する。
そうすると、AIは、与えられた変数を基に、順番にタスクを実行していきます。
実験結果
今回の実験では、次のようになりました。
タスク1
[Task1]では、
[Var1](弱み)を分析し、強みや個性に転換できる要素を選び、言葉にします。
今回の例で、[Var1]は次のように定義しました。
ブランドの現状の弱み: [Var1]
= 人と話す事が苦手,量産できない,知名度が低い,資金不足
これに対して、AIは以下のように転換しました。
人と話す事が苦手 ⇒ 個別対応力
量産できない ⇒ 限定性・独自性
知名度が低い ⇒ 発掘の喜び
資金不足 ⇒ 地道な取り組み
タスク2
[Task2]では、
先ほどの[Task1]の結果をもとに、弱みを転換し新たな強みになった[Var1]を、
変数[Var2]に、AIが格納します。
[Var2] =個別対応力, 限定性・独自性, 発掘の喜び, 地道な取り組み
タスク3
[Task3]では、
[Var2](新たに生まれた強み)と、[Var3](もともとの強み)から、
[Var4](提供価値)を言語化します。
[Var2](新たに生まれた強み)
=個別対応力, 限定性・独自性, 発掘の喜び, 地道な取り組み[Var3] (もともと持っている強み)
= デザインをたくさん描ける,ママ友がたくさんいる
↓
提供価値[Var4]
= 世界に一つだけのデザインと繋がり, 特別な経験, 温かい思い出
タスク4
最後の[Task4]で、理念を言語化します。
今回の例をもとにChatGPTが作成したところ、次のようになりました。
私たちのブランドは、個別対応力を活かし、限定性・独自性のある商品を提供することで
お客様に世界に一つだけのデザインと繋がりを生み出します。
発掘の喜びを追求し、地道な取り組みによって成長することを目指します。
ママ友との繋がりを活かして、家族や友人と共に楽しめる特別な経験を提供し、
人々の心に温かい思い出を刻むことが私たちの使命です。
顧客ニーズを定義した場合
今回、インプットした情報は弱みと強みですが、
その内容を「顧客のニーズ」を基に定義すると、より具体的なものになります。
先ほどの弱みをそのまま「人と話す事が苦手,量産できない,知名度が低い,資金不足」にし、
強みを「小学生の子供を持つ30代女性の悩みが理解できる」と具体的な変数にしたところ、
次のような理念が作られました。
「あなただけの秘密のブランド」
私たちは小学生の子供を持つ30代女性の悩みを独自のコミュニケーションスタイルで理解し、限定品・高品質でリーズナブルな商品を提供します。秘密のブランドとして、あなたの日常をもっと豊かに彩るお手伝いをします。一緒に、特別な瞬間を楽しみましょう。
少し機械的な言い回しになりますので、以下のように少しアレンジしました。
私たちは、小学生の子供を持つ30代女性の悩みに寄り添い、自分らしく輝ける毎日を彩るため、
高品質かつリーズナブルな商品を提供します。
特別な瞬間を一緒に楽しめる、あなたの身近にそっと寄り添える、そんなブランドを目指して参ります。
AIに人格を持たせる
AIには、「人格」を持たせることができます。
言葉に、個性や特徴を持たせるという事です。
ちょっと面白い実験を行いました。
ウォルトディズニーっぽい?
今回INPUTにしようした、強みと弱みは全く同じで、
「ウォルトディズニーが言いそうな言葉で理念を作って」
と指示したところ、以下のようになりました。
隠れた逸品を、心の繋がりで広げていく。私たちの独自デザインは、
ママ友たちの間で限定生産の宝物となり、コストを抑えた価格で喜びを運びます。
高品質なコミュニケーションを通じて、私たちのブランドはママ友たちの心に深く根ざすことでしょう。
ダウンタウン松本仁志っぽい?
ウォルトディズニーではなく
「ダウンタウンの松本仁志」
に変更して実験したところ、以下のようになりました。
「オレらのブランドはな、個別対応が得意でオリジナリティが高いんや。
まるで発掘された宝石みたいな魅力があるねん。
ママ友たちも大喜びのコストパフォーマンスやから、一度試してみる価値あるでぇ!」
このように、特定の個人の人格を与えると、
一味違った面白い結果になります。
興味あればぜひやってみて下さい。
命令文(プロンプト)
今回の命令文(プロンプト)の全文は、次のようになります。
まとめ
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