この記事では、彫金の基本となる
「甲丸リング」
の作り方をご紹介しています。
甲丸リングの作り方は大きく分けて3種類あります。
①既製の甲丸線から、指輪を制作する
②甲丸線を作って、指輪を制作する
③平打ちリングを削って制作する
今回は、
③平打ちリングを削って制作する
について解説してまいります。
ぜひ、最後までご覧下さい。
なお、甲丸線を作って制作する方法は、下記の記事で動画と合わせて詳しくご紹介していますので、是非ご覧下さい。
⇒ 彫金で指輪を作る
1.平打ちリングを作る
まずは、平打ちリングを作成します。
平打ちリングの制作手順は次の通りです。
平打ちリングの制作手順
- サイズの長さでカットする
- 丸めて両端をすり合わせる
- ロウ付け
- 芯金で真円にする
- リング幅をヤスリで整える
- 厚みを均等に整える
サイズの長さの計算方法については、下記の記事が参考になります。
2.シノギの形を作る
平打ちリングができたら、いきなり丸く削ろうとせずに、断面が台形のような形状の
「シノギの形」を作ります。
「シノギ」とは、平打ちリングの角を落とした形で、日本刀の「鎬(しのぎ)※刀と峰の間の斜めに山になっている部分」の形が由来と言われています。
いきなり丸く削らずに、「シノギ」の形を作ってから、角を落として甲丸に成形する事によって、断面が左右対称の甲丸リングに仕上がります。
シノギの形にするためには、次のように加工します。
シノギの形への加工手順
- 指輪の表面の両サイドからケガく
- 平のヤスリでシノギの形に削る
3.甲丸に削る
「シノギ」の形ができたら、甲丸にしていきます。
ヤスリで削ると同時に、指輪を手前に動かしてあげると、均一に大きくヤスリがけを行う事ができます。
ヤスリのかけ方
平打ちも、シノギも、甲丸も、指輪の表面をヤスリがけする時は、ヤスリをかけると同時に、指輪も回転させて、大きくストロークを描くようにヤスリがけします。
また、指輪に当たるヤスリの角度を一定に保つ事も大切です。
動画でみる指輪のヤスリがけ
平打ちの指輪を削り出して、甲丸リングにしていく過程から、指輪のヤスリがけのコツをご紹介いたしました。
動画を見ながら動きを真似て、ぜひ一緒にやってみてください。
甲丸リングの成形まとめ
以上、今回は、甲丸リングの作り方について、
平打ちリングを削って制作する方法
について解説致しました。
大きくまとめると、次の工程になります。
- 平打ちリングを作る
- 「シノギ」の形に加工する
- 左右対称になるよう甲丸にする
甲丸リングは彫金の基本になりますので、きちんとマスターしましょう。