市販されているアクセサリーには、
・メッキ品
・張り製品
があります。
今回は、メッキ品と張り製品などに見られる
「紛らわしい刻印」のまとめと、「貴金属かどうか見分け方」について解説致します。
金は特に加熱処理の仕方を間違えると大変な事になります。焼鈍しと時効硬化・加工硬化についてまとめましたので合わせてご覧ください。⇒シルバーや18金の焼鈍しと時効硬化及び加工硬化について
メッキ製品に見られる刻印
メッキは、金メッキ以外にも「ロジウムメッキ」や「ニッケルメッキ」など、たくさんの種類があります。
見た目はゴールドの色でも、元の素材はシルバーや真鍮など他の金属を使用する事で、
価格を下がり、より気軽にファッションを楽しめるのがメッキ製品のメリットです。
しかし、メッキはやがて剥がれますので、元の素材の地色が剥きだしになり、
変色や腐食してしまい、見た目が損なわれるといったデメリットがあります。
下記の表は、メッキを施した製品に見られる刻印で、全てメッキ品になります。
これらの刻印は、メッキの純度(K18、K14)などに続けて打刻される事も多くありますので注意が必要です。
メッキを施した製品に見られる刻印
刻印 | 意味 |
---|---|
GP | [Gold Plated]金メッキ(K24GP、GP18K等) |
GE,GEP | [Gold Electro Plated]金メッキ(K24GE、K18GEP等) |
HGE | [Hard Gold Electroplated]金メッキ(K24HGE等) |
RH.P | [Rh Plated]ロジウム(元素記号でRh)メッキ |
PTP,PP | [Platinum Plated]プラチナメッキ(Pt900 PTP等) |
M(1M,3M等) | 1M(ミクロン)の厚さのメッキという事 「K18 3M」など |
E.P.N.S | [Electro Plated Nickel Silver] 銀メッキ |
下記の記事では、金と金合金について詳しく解説していますので合わせてご覧ください。⇒「金と金合金によるジュエリー制作のゴールド素材」を見てみる
張り製品に見られる刻印
「張り」とは、元の素材(真鍮など)に、
薄い貴金属膜を圧着させたもので、メッキよりも剥がれにくい製品になります。
特に「GF(ゴールドフィルド)」は、14金の色合いを持ちつつも、安価で加工しやすい事から、手作りアクセサリー用のパーツとしても数多く生産されています。
メッキよりも長持ちしますので、人気がある素材です。
「GF(ゴールドフィルド)」以外にも、ホワイトゴールド張りやプラチナ張りなど白色系の素材もあります。
下記の表でまとめたものは、全て張り製品になります。
張り製品に見られる刻印
刻印 | 意味 |
---|---|
GF | [Gold Filled]金張り(K18GF、K14GF等) |
1/20 | 圧着した「金の重量」が「素材総重量」の1/20以上(5%以上)の場合に打刻されます。(1/20 14K GF 等) |
GS,GR | [Gold Shelled,Gold Rolled]金張り |
RGP | [Rolled Gold Plated]金張り |
GT | [Bright (or Gilt) Gold-Plated]金箔張り |
WGF | [White Gold Filled]ホワイトゴールド張り |
PTF,PR | [Platinum Filled,Platinum Rolled]プラチナ張り |
金銀・プラチナ、真鍮や銅、鉄も含めて、ジュエリー制作にかかわる地金素材の比重や融点・成分などをまとめました。ブックマークしておくと便利です⇒「地金素材まとめデータベース」を見てみる
数字とアルファベットの刻印
数字やアルファベットで打刻される刻印は、ダイヤやルビーなどをセッティングした製品に打刻されます。
石目(キャラ目)
「0.231」「0.01」などの数字は、ダイヤやルビーなどのカラット数(重さ)を表す刻印です。
中石と脇石がある指輪などの場合は、通常、中石の石目刻印と、脇石の石目刻印は分けて打刻されます。
アルファベット刻印
次のように、アルファベット1文字で打刻されている刻印は、ダイヤモンドやルビー・サファイヤ・エメラルドなど貴石の頭文字を取ったものです。
複数の宝石を使用する場合には、「D 0.214 R 0.04」など、分けて打刻されます。
- 「D」 ダイヤモンドの頭文字(D 0.231 等)
- 「R」 ルビーの頭文字(R 0.231 等)
- 「E」 エメラルドの頭文字(E 0.231 等)
- 「S」 サファイアの頭文字(S 0.231 等)
石目(キャラ目)刻印まとめ
刻印 | 意味 |
---|---|
キャラ目、石目 | 「0.231」「0.01」などの数字は、ダイヤやルビーなどのカラット数(重さ)を表す刻印です。 |
D | ダイヤモンドの頭文字(D 0.231 等) |
R | ルビーの頭文字(R 0.231 等) |
E | エメラルドの頭文字(E 0.231 等) |
S | サファイアの頭文字(S 0.231 等) |
下記の記事では、素材刻印の上手な打ち方について詳しく解説していますので合わせてご覧ください。⇒「素材刻印を上手に打つコツ【動画解説あり】」を見てみる
貴金属かどうかの見分け方
ジュエリー制作においては、貴金属材料を使用しますので、あまり偽物を気にする必要はありません。
しかし、制作を続けていると、お客様から「これって本物?」などと聞かれる時があります。
「偽物」と断言しないまでも、貴金属かどうかの見分け方を知っておく事も大切です。
ここでは、貴金属かどうかの見分け方について解説します。
①刻印を見る
刻印がない
メッキや張り製品の刻印がある
あとK
造幣局の刻印がある
プラチナの「P.M」「P.m」
石目の刻印がある
②見た目の色を見る
手持ちの金製品と見比べる
地色が露出していないかチェックする
少し削ってみる
③重さを確認する
軽すぎないか
査定してもらう
④磁石を近づける
メッキや張り製品の刻印と貴金属との見分け方まとめ
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