指輪を制作する過程において、地金をカットした後、丸めていきます。
合わせ目に隙間が出ないように、リング状に丸めた後、両端をすり合わせることになります。
この記事では、リング状に丸める方法として、芯金を使って丸めるやり方をご紹介します。
地金の両端は平面にする
前提として、丸める前に、地金の両端を真っ平らにしてください。
地金に対して、体をまっすぐに向けて削ります。
削り終えたら、地金の表面を、いろんな角度から見て、平面が出ている事を確認します。
2面以上あったり、角がだれている場合は、やり直しです。
とにかく、真っ平にすることが前提となります。
芯金で地金の両端を丸める
地金の両端が真っ平らになったら、芯金で丸めていきます。
芯金で丸める場合は、叩けば叩くほど、加工硬化が起こって、加工しにくくなりますので、手早く行うようにしましょう。
利き手で木槌を持って、反対の手で地金を持ちます。
叩きながら、地金を持った手を下の方に回していきます。
徐々に地金の中心を叩いて、丸くしていきます。
ヤットコもそうですが、加工硬化が起こって地金は硬くなりますので、適宜、焼きなましを行ってください。
両端がバランスよく丸くなるよう、左右交互に行うようにしてください。
木台の上で合わせる
ある程度、丸くなったら、木台の上に乗せて両端を木槌で叩いて寄せていきます。
指輪の口(合わせ目)は、常に真上を向けて、木槌も真上から振り下ろすようにします。
合わせ目の中心を叩くと開いてしまいますので、地金の両端に木槌があたるよう、木槌の角をうまく当てて、隙間が出ないよう叩いてください。
叩き方にコツがいりますので、動画も合わせてご覧ください。
両端を、少しずつ寄せていき、最終的に隙間が無くなったら完了です。
なお、どうしても合わない場合は、合わせ目に糸鋸を入れる事で、ずれている部分が切り落とされ、ピシッと合いますので試してみて下さい。
良い例

髪の毛も通らないようにする
悪い例

すき間があってロウ付けできない

下記の記事ではろう付けがうまくいくコツを解説していますので合わせてご覧ください。⇒「ろう付けがうまくいくコツはたった2つ」を見てみる
「シルバー指輪のすり合わせ」についてまとめ
今回は、ロウ付け前の指輪のすり合わせについて、ヤットコを用いた方法を解説しました。
- 両端を真っ平らにしておく
- 手早く、木槌で叩いて丸める
- 硬くなったら焼きなましを行う
- 木台の上で、木槌を使って合わせる
- 合わせ目に”隙間”があるとロウ付けできません。
これは、対象物の大小に関係なく”ロウ付けの基本”ですので、しっかり覚えておいてください。

下記の記事では、シルバーの指輪を例に実際のろう付けのコツを動画で解説していますので合わせてご覧下さい。⇒「シルバー指輪のろう付けのコツ」を見てみる