地金から作る指輪のプロセスを時系列でまとめ、必要な工具をまとめました。
基本的な制作プロセスとしてブックマークしておくと、その都度、見返す事ができますので便利だと思います。
指輪制作の基本プロセス
- ①デザインする
何を作るかを決め、デザインします。
<主な必要工具>
鉛筆、消しゴム、楕円定規など - ②地金取り
「地金取り(じがねどり、じがねとり)」は、必要な地金を用意して、叩いたり、伸ばしたりして、必要な最小限度の地金を取り出す事です。
上手く地金取りができれば、ヤスリがけの時間が短縮できるだけでなく、削った地金の粉(粉地金)も最小限に済み、結果的に製作の原価を抑えることができます。
<主な必要工具>
のべ鎚(からかみ鎚)、金床や卓上アンビル、ローラー⇒おすすめの工具を見てみる
- ③サイズを決める
ゲージを用いて、リングサイズを決定します。
また、リングサイズに応じて、必要な地金を見積もります。
<主な必要工具>
リングゲージ、サイズ棒、スケール、ノギス、ケガキコンパス(カニコンパス)のべ鎚(からかみ鎚)、金床や卓上アンビル、ローラー⇒おすすめの工具を見てみる - ④地金を切る
地金を切る時は、ケガキ線を残して切るようにします。
<主な必要工具>
糸鋸、きりばし、ニッパー⇒おすすめの工具を見てみる - ⑤ヤスリがけする
丸めた時に接合面に、すき間ができまいよう、両端を平らにしておきます。
<主な必要工具>
組ヤスリ(5本組・平)、すり板⇒おすすめの工具を見てみる - ⑥焼鈍し
加工しやすいように焼鈍し(やきなまし)を行います。
<主な必要工具>
バーナー、ろう付け台⇒おすすめの工具を見てみる - ⑦リング状に曲げる
板の端を丸めて、リング状に丸めていきます。
<主な必要工具>
芯金、木槌⇒おすすめの工具を見てみる - ⑧ろう付け面のすり合わせ
ろう付け面(接合面)にすき間が出ないよう、ぴったりと合わせます。
すき間が出る場合は、ヤスリを入れるか、糸鋸で切り落とします。
<主な必要工具>
組ヤスリ(10本組・平、または12本組・平)⇒おすすめの工具を見てみる - ⑨ろう付け
フラックスを接合面に塗り、ろう付けを行います。
<主な必要工具>
フラックス、ろう、ピンセット、ろう切りハサミ⇒おすすめの工具を見てみる - ⑩酸洗い
地金が冷めないうちに希硫酸に入れる方法と、いったん水に入れてから希硫酸に入れる方法の2通りがあります。
前者の場合は、希硫酸に入れた際に有毒なガスが発生するので注意する事、後者の場合、酸化膜が落ちにくい場合は、希硫酸を50℃くらいに加熱します。
<主な必要工具>
硫酸液またはディクセル、酸洗い用の容器⇒おすすめの工具を見てみる - ⑪真円にする
リング内側の接合面に、余分なろうがある場合は、芯金に入れるまえに削って(さらって)おきます。
芯金に入れて、真円にして、サイズを確認します。
<主な必要工具>
芯金、木槌、サイズ棒⇒おすすめの工具を見てみる - ⑫すりだし、パーツを寄せる
すり出しの場合は、ヤスリで削って成形します。
また、石枠などのパーツがある場合は、ろう付けして組み立てます。
ろう付けした後は酸洗いを行います。
<主な必要工具>
組ヤスリ各種(8本組セット、10本組セット、12本組セット)⇒おすすめの工具を見てみる - ⑬仕上げ
デザインに応じて、紙ヤスリやキサゲ、ヘラ、リューター等で仕上げを行います。
石留めがある場合は、石の種類や留め方に応じて、仕上げの工程を適宜調整します。
初心者におすすめのリューターは、下記の記事で詳しくご紹介しています。
<主な必要工具>
紙ヤスリ、キサゲ、ヘラ、リューター、バフ、研磨剤⇒おすすめの工具を見てみる - ⑭石留め
- ⑮表面処理、色仕上げ
古美仕上げ(ふるび)や、梨地仕上げ(なしじ)、メッキ仕上げなど施す場合、処理を行います。
石留めがある場合は、石によって工程の順序が異なります。
<主な必要工具>
銀古美液、金剛砂(梨地仕上げ用)、サンドブランド、メッキ装置、メッキ液⇒おすすめの工具を見てみる - ⑮完成
洗浄、検品を行って完成となります。
<主な必要工具>
洗浄器⇒おすすめの工具を見てみる
地金から作る指輪の基本プロセスまとめ
今回、指輪を例に解説しましたが、ペンダントもバングルも基本的なプロセスは同じです。
指輪が基本になりますので、今回ご紹介したプロセスを覚えましょう。
以下の記事では、初心者におすすめの彫金工具一覧をまとめましたのぜひご覧下さい。⇒「彫金を始めるための工具リスト」を見てみる