スーパーに買い物に行った場合、「この大根120円です」と言われると、
私たちは、大根=120円という評価をします。
この時点では、大根の価格が高いのか安いのか判断できません。
しかし、
「ここの大根は120円ですが、隣のスーパーでは100円です。」
と言われると、隣のスーパーの大根は安いと感じます。
このように、
2つ以上のものを比較する際に、
その差が実際よりも大きく感じられる心理的な現象
を、「コントラスト効果」といいます。
このコントラスト効果を利用することで、
売りたい商品を効果的にアピールする事が可能になります。
そこで今回は、「コントラスト効果」を利用した商品の見せ方についてご紹介します。
実践しやすい内容なので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
アンカリングと松竹梅
コントラスト効果を解説する前に、似たような心理テクニックを2つ解説します。
それは、「アンカリング」と「松竹梅価格」です。

この2つの心理テクニックについては、下記の記事でも詳しくご紹介していますので合わせてご覧下さい。⇒「購買心理をくすぐる」7つの価格設定 を見てみる
アンカリング
アンカリングは、
最初に与えられた数字が脳内に、「アンカー(船の錨)」としてインプットされ、その数字が基準となり、その後に提示される他の数字に対する認識がゆがめられるという心理効果です。
この効果は、価格に限らず様々な場面で利用できます。
例えば、待ち合わせで遅刻しそうな場合に「15分くらい遅れます」と伝えておき、
実際には5分くらいで到着すると、「予想より早かったね」という印象を与え、
遅刻したことに対する悪い印象をあまり与えません。
松竹梅価格
松竹梅価格は、寿司屋や焼肉店などでよく見かける価格戦略で、
松、竹、梅の3つの価格帯を用意します。
例えば、以下のように価格を3つ表示させます。
松コース 4000円
竹コース 3000円
梅コース 2000円
これにより、
真ん中の数字が選ばれやすくなるという効果があります。
人間は、極端な選択を避けたいという心理があり、
専門用語で「ゴルディロックス効果」という法則です。
コントラスト効果とは
さて、本題のコントラスト効果について解説します。
コントラスト効果とは、2つ以上のものを比較した際に、
その差が実際の差よりも大きく感じられる心理的な現象のことです。
冒頭で解説した大根の話を、もう一度みてみましょう。
スーパーで、「この大根120円です」と言われると、
私たちは、大根=120円という評価をします。
この時点では、大根の価格が高いのか安いのかは判断できません。
しかし、「ここの大根は120円ですが、隣のスーパーでは100円です。」
と言われると、隣のスーパーの大根は安いと感じるのです。
これは、120円の大根と100円の大根を、
相対的に評価しているためです。

コントラスト効果_大根の例
もうひとつ、例を挙げましょう。
Tシャツに1,000円の値札が付いている場合、
これ単体では高いのか安いのか判断できません。
しかし、1,000円の値札の上に2,000円と書かれており、
さらに、2,000円が打ち消されている場合、
元々の価格が2,000円だったTシャツが半額になっていると認識され、「安い」と感じるのです。
この場合も、2,000円と1,000円を相対的に評価しているという事になります。

コントラスト効果_Tシャツの例
このように、
2つ以上のものを比較し、相対的に評価してもらうことで、
商品が売れやすくなるのが、「コントラスト効果」です。
したがって、お客さまに20,000円のネックレスを購入いただきたい場合は、
その前に50,000円のネックレスをご紹介することで、より売れやすくなるでしょう。

コントラスト効果_ネックレスの例
コントラスト効果の応用
このコントラスト効果は、
比較対象を3つにすることでさらに効果が現れます。
また、冒頭で解説した「アンカリング」と「松竹梅価格」を組み合わせることで
より効果的な結果を得ることができます。
売りたい商品を売れやすくする
具体的な方法を説明します。
コントラスト効果のまとめ
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