パイプを元に、丸線3本をロウ付けして、3本爪の石座を作る方法を解説します。
好みの太さでパイプを作り、丸線をロウ付けすれば、好きな大きさで石座をたくさん作ることができますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
動画で作り方を見る
丸線3本爪の石座の作り方について、動画でもご紹介しています。
記事と合わせてご覧ください。
パイプを用意する
まずは必要な太さのパイプを用意します。
今回は線爪ですので、石留めしたい直径と同じ太さ(外径)のパイプを用意します。
既製のパイプも、もちろん使用可能です。
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ただし、市販のパイプは、板厚が0.3mmと薄いので、もっと厚みのあるパイプが必要な場合は、自分で製作する事になります。
パイプの作り方については、下記の記事で、動画を交えて詳しく解説していますのでご覧下さい。
パイプをカットする
パイプが用意出来たら、石の深さ(高さ)に合わせて、パイプを切りますが、切る前に、皿もみをしておくと楽です。
皿モミをしておく
石を乗せた際に、石が安定して乗るよう、皿モミをしておきます。
皿モミは、半丸のヤスリや、キサゲ、リューター用のカッター等で加工できます。
加工したら、実際に石を乗せてみて、おさまり具合を確認しながら作業を進めます。

皿モミのイメージ

キサゲによる皿モミ
パイプを切るコツ
パイプをカットする時は、パイプを回しながらカットすると、綺麗に切れます。
石座を複数個作る場合は、切り口を整えてから皿もみし、必要な長さにカットします。
その際に、パイプはまっすぐヤスリがけするのが難しいので、溝台に乗せて、平らな面を確認しながら作業を行うと綺麗に整います。

溝台を利用したパイプのカット
丸線をロウ付けする
ここでは、石座を同時に2個製作していますが、石座を1個だけ作る場合は、カットしたパイプ1つに対して、丸線をロウ付けします。
丸線とのすり合わせ
すり合わせなくても、ロウ付け自体は問題なくできますが、すり合わせしておくと、ロウ付けが楽になりますので、パイプと丸線とをすり合わせます。
今回の場合は、パイプを削ってもいいし、丸線を削っても良いです。

すり合わせのイメージ
丸線2本のロウ付け
写真のように、U字に曲げた丸線をパイプの下に敷いて、合計4ヶ所ロウ付けします。
こうする事で、2本まとめてロウ付けできるだけでなく、安心してロウ付け作業を行えます。
ロウ付けの際に、皿モミの方向を間違えないようにしてください。
残りの丸線をロウ付け
2本付け終えたら、念のため、ロウ付け箇所に、地の粉(じのこ)を塗っておきます。
地の粉を塗ることで、ロウ付けした部分が保護されます。
そして、残りの丸線1本をロウ付けします。
地の粉(じのこ)とは
漆塗や金継ぎなどに用いる土の粉末ですが、彫金では、ヤニ台を作ったり、ロウ付け箇所を保護する際にも使います。
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カットして石座を量産
ロウ付けが完了したら、パイプの根元をカットします。
この時も、切る位置を間違えないよう、注意してください。
石座を整える
各石座の爪の長さを整えて、石座を完成させます。
テーブル面よりも少し長いところで爪をカットし、倒しやすいように、爪を整えます。
キサゲや紙やすり等で、表面を整えたらパイプ石座の完成です。
パイプ石座の作り方 まとめ
以上、今回はパイプで作る丸線3本爪の石座の作り方をご紹介しました。
工程をまとめると、次のようになります。
パイプ石座の作り方
1. パイプの準備
- 必要な太さのパイプを用意します。市販品も使用可能ですが、板厚が薄い場合は自作が推奨されます。
- パイプの作り方はこちら
2. パイプのカット
- 石の高さに合わせてパイプを切ります。切る前に皿モミしておきます。
- パイプは回しながらカットします。
3. 丸線のロウ付け
- 丸線をパイプにロウ付けします。
- 地の粉を使用すると安心です。
4. 石座の整形
- ロウ付けが完了したら、パイプを根元で切り分けます。
- 爪の長さを調整し、倒しやすい形状に整えます。
- キサゲや紙やすりで仕上げて石座を完成させます。
以上の手順で、パイプの石座は作る事ができます。
パイプも自作すれば、自分好みの石座を自由に制作できますので、ぜひ記事を参考にして頂き、パイプの石座にチャレンジしてみて下さい。