ネックレスやブレスレットを作る際には、自作のパーツを作って繋げるか、
パーツ屋さんでチェーン部材を購入して組立てて、仕立てる流れになります。
下記のページでは、代表的なチェーン部材について12種類をご紹介していますが、今回は、パーツ部材についてご紹介致します。
⇒「ネックレスやブレスレットに必要なチェーン部材」を見てみる
チェーン部材と合わせて、留め金具等のパーツも必要になりますので、ぜひ最後までご覧下さい。
留め金具
頭からくぐらないネックレスや、バングルタイプではないブレスレットは、両端を留め金具で繋ぐことになりますので「留め金具」が必要になります。
ここでは、代表的な「留め金具(留め具)」をご紹介します。
下記の記事では、ジュエリーアクセサリーの作り方について3つの基本的な方法を解説していますので合わせてご覧ください。⇒「ジュエリーやアクセサリーを制作する3つの基本的な技法」を見てみる
丸環(マルカン)
「丸環(丸カン、マルカン)」は、一般的に丸い輪状のパーツで、チェーンと引き輪等のパーツを繋ぐためのパーツになります。
通常は、丸カンの口をろう付け、あるいはレーザー等で溶接しますが、引き輪とチェーンを繋いでいる丸カンは、溶接しない場合が多いです。
これは、チェーンが服など引っかかったりした場合、丸カンが開く事によって、チェーンが切れる事を防ぐためです。
引き輪・プレート
留め金具で、もっともポピュラーなのが「引き輪」と「プレート」です。
ネックレスやブレスレットの片方に「引き輪」、もう片方に「プレート」をつけます。
引き輪は、中空構造(中が空洞)にな っており、中にはバネが入っています。
ネックレスやブレスレットを着ける時は、引き輪を開いてプレートの穴に入れてセ ットする事により、外れなくなります。
プレートのことを「ダルマ」または「ダ ルマカン」ともいいます。
「ダルマ」と呼ばれているのは、古いタイプのプレートが、大小の円が重なっていてダルマの形に似ているためです。
フック
引き輪と同じ機能を持った留め金具に 「フック」が あります。
輸入されたチェーンや、太目のチェーンなどに用いられる事が多い、ボリュームのある金具で、形や大きさにもいろんな種類があります。
フックを用いた場合は、プレートよりもフック用のダルマカンの方が多く用いられます。
クラスプ
幅広のチェーンや、連タイプ等のネックレス用の留め金具には「クラスプ」が多く用いられます。
クラスプの代表的なものとして「差しこみ式」「中折れ式」が多く用いられています。
時計のバンド金具と同じような構造の「中折れ式」は、ほとんどが長方形のボックスタイプですが「差しこみ式」の留め金具には、ボックス・タイプ以外 にも「筒型」や「ボール型」「アーモンド型」といろ いろなデザインがあります。
中でも、パールネックレス用のクラスプには、たくさんのデザインのものが販売されています。
フロント・クラスプ
通常のクラスプは、首の後ろ側で留めますが、「フロントクラスプ」は、後ろではなく、ネックレスの前で留める構造になっています。
フロントクラスプ」は、ネックレスのデザインの一部として使うために開発されました。
「フロントクラスプ」には、地金だけのデザインから、メレダイヤや色石がセッティングされたものまでいろんなデザインが販売されています。
また、「フロントクラスプ」には、「2 WAYタイプ」という、受け金具が2個で、差しこみ金具も2個というデザインのパーツもあります。
以下の記事では、初心者におすすめの彫金工具一覧をまとめましたのぜひご覧下さい。⇒「彫金を始めるための工具リスト」を見てみる
アジャスタ―
「アジャスター」はチェーンの長さを調整する時に用いる補助金具です。
ここでは、アジャスタ―についてご紹介します。
アジャスターチェーン
アジャスターチェーンは、コマの目が大きい、4~5セ ンチ位の短いチェーンです。
プレートの代わりとして、アジャスターチェーンをつけておくと、好みの長さで引き輪をひっかけて留めることができます。
アジャスターチェーンの先端が垂れても不自然にならないよう、通常、アジャスターの先端には丸玉など小さな飾りがついています。
スライドアジャスター
チェーンをスライドさせて長さが調節できるのが「スライドアジャスター」です。
チェーンが通っている、丸いスライド式金具の中にはシリコンゴムが入っており、チェーンが滑らかに動くようになっています。
スライドアジャスターは、小豆チェーンやボールチェーン、ベネチアンチェーンなど、凹凸のないシンプルなチェーンに多く用いられます。
アジャカン
「アジャカン」は、引き輪側のチェーンの2~3センチ位のあたりにつける、外径3mm位の丸カンのことです。
「アジャカン」に、いったん引き輪を通してから、プレートにセットする事によって、チェーンの長さを短くできます。
例えば、全長40cmのネックレスの引き輪下3cmの部分にアジャカンをつけておけば、40cmと37cmの2パターンの長さで使用できます。
下記の記事では、一点物と量産品のデザインプロセスについて詳しく解説していますので合わせてご覧ください。⇒「ジュエリーのデザインプロセス!一点物と量産品の違い」について見てみる
連結金具
ここでは、複数のチェーンやネックレスを連結する金具についてご紹介します。
連用金具
「連用金具」 は、チェーンやパールを何連かまとめる際に使う金具です。
2連用、3連用、5連用などのデザインの連用金具が販売されています。
ショートナー、パックマン
「ショートナー」「パックマン」は、パールネックレスに用いる補助金具です。
「ショートナー」は、パールを組み合わせて違う印象にしたい時に使用する、少し大きめの輪状の金具です。
輪状の金具は、自由に開閉できますので、例えば、4連のねじりチョーカーやダブルロングネックレスなどが、自由に表現できます。
「パックマン」とは、パールを挟む事ができる開閉式の金具です。
このパックマンを使えば、長さを調節したり、何本かパールネックレスを組み合わせることによって、表現できるデザインのバリエーションがだいぶ広がります。
なお、「ショートナー」と「パックマン」は、パールネックレス以外にも、他の丸玉ビーズのネックレスにも使用できる金具になります。
下記の記事では、デザインによって異なるジュエリーの仕上げ工程について、その手順を解説していますのでご覧下さい。⇒「デザインによって異なるジュエリーの仕上げ工程」を見てみる
デザインに合った部材を選ぶ
以上、今回は、代表的なパーツ部材をご紹介致しました。
チェーンと合わせて、パーツは必要な部材となります。
なお、オリジナルで作成すれば、他のブランドの製品と被らなくなりますので、独自のパーツ作りにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参考文献
下記の記事では、「ネックレス」の種類と特徴について全10種類をご紹介しますので、合わせてご覧下さい。⇒ネックレスの種類やデザイン一覧(全10種)を見てみる