ジュエリーアクセサリーの細部仕上げにおいて、磨きヘラと合わせて覚えておきたいのが、
「キサゲ」による仕上げのテクニックです。
キサゲは大工道具でいうところの「かんな」と似たような役割を持つ工具です。
今回は、キサゲについての使い方を解説致します。
下記の記事では、デザインによって異なるジュエリーの仕上げ工程について、その手順を解説していますのでご覧下さい。⇒「デザインによって異なるジュエリーの仕上げ工程」を見てみる
キサゲとは
キサゲの先端は「刃」のようになっており、バリ取りや細かなキズ取りに使用できる便利な工具です。
紙やすりが入らない細かな所や、指輪の内側、面取りなどを行う際にも重宝します。
大きさも大小ありますが、初心者の方は、下記のような7.5mm位のキサゲ1本あれば充分です。
制作する作品に応じて、より大きな12mm位のものや、極小のキサゲを持ちましょう。
なお、混同されやすい工具に「磨きヘラ」があります。
「キサゲ」と「磨きヘラ」は、目的が全く違いますので注意しましょう。
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下記の記事では、ジュエリー制作において欠かせない「ヘラ」の説明と極小磨きヘラの作り方を解説していますので合わせてご覧ください。⇒「磨きヘラによる細部仕上げのジュエリー制作テクニック」を見てみる
キサゲの持ち方
キサゲを使う時は多少の力を加えますので、下記写真のように、小指と薬指で挟んで安定させ、親指を使ってコントロールできるように持ちます。
キサゲの持ち方を動画で確認
下記の動画ではキサゲの持ち方を解説していますので合わせてご覧下さい。
キサゲの使い方
まず、キサゲの形状を理解しましょう。
キサゲの形は次のようになっています。
キサゲの先端は、角が立っており、「刃」のようになっています。
ナイフほど鋭利ではないため、指を切る事はありません。
ひと皮剥く
平らな面に、キサゲを寝かせた状態で押し出す事で、地金の表面をひと皮剥く事ができます。
指輪の内側をかければ、微妙なサイズ調整が可能です。
また、火ムラが発生した場合に、キサゲをかけてひと皮剥く事で、火ムラを取り除く事が可能です。
面取りを行う
ヤスリで削った後の地金の角は鋭利に角ばっています。
また、バリが出ている場合もありますので、キサゲをかける事で面取りできます。
また、指輪の指なじみ(指にあたる部分)にキサゲをかける事で、ヤスリよりも早く、綺麗になじみ部分を作る事が可能です。
キサゲの使い方を動画で確認
下記の動画では、キサゲの使い方を動画でご紹介していますので合わせてご覧下さい。
キサゲの手入れ
キサゲは「刃物」です。
使っていくうちに、だんだんと刃が甘くなっていきますので、手入れをする必要があります。
キサゲの手入れを行う際には、砥石で砥ぎます。
ジュエリーで使う砥石も様々ありますが、代表的な砥石は2種類です。
○インディア砥石
タガネやキサゲなど、荒研ぎ用の砥石です。
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○アーカンサス砥石(アルカンサス砥石)
アメリカのアーカンサス地方で産出される天然石を使用した良質な砥石です。
オイルをつけて使用します。
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砥ぎ方のコツ
インディア砥石もアーカンサス砥石も、「オイルストーン(油砥石)」とも呼ばれるように、機械油などを付けながら研いでいきます。
なお、「砥ぐ技術」は、熟練が必要ですので、初心者には難しいかもしれません。
コツとしては、対象となる工具の「面(メン)」を指で感じる事です。
キサゲを初め、いずれ制作する事になる「鏨(たがね)」においても、「研ぐ技術」が必要になってきますので、積極的に手入れして慣れておきましょう。
キサゲの砥ぎ方を動画で確認
下記の動画では、実際にキサゲを研ぐ様子をまとめましたので合わせてご覧下さい。
以下の記事では、初心者におすすめの彫金工具一覧をまとめましたのぜひご覧下さい。⇒「彫金を始めるための工具リスト」を見てみる
キサゲによる細部仕上げのテクニックまとめ
今回は、キサゲによる細部仕上げのテクニックについて解説しました。
キサゲをかけた後に、ヘラがけする事で、ヤスリ~紙やすりの作業を行うよりも、早く綺麗に仕上げられる場面もありますので、これらのテクニックはマスターしておきましょう。
下記の記事では、作品のクオリティを高める方法について解説していますので合わせてご覧ください。⇒「作品のクオリティを簡単に上げる方法とは」を見てみる